新築で購入した住宅も、気が付けば築数十年…
建物が老朽化、また、家族構成やライフスタイルの変化などで、どうにも住み難くなってきたと感じたら、リフォームやリノベーションという言葉が思い浮かぶ方も少なくないでしょう。
でも、この2つのことばには、何か違いがあるのでしょうか。
だとしたら、その違いは何なのでしょうか。
ご一緒に、この記事でおさらいしましょう!
1.国土交通省による定義の違い
「リフォーム」のほうが、建築用語としては以前から使われていましたが、近年、「リノベーション」ということばも多用されるようになってきました。
リフォーム[reform]は、実は和製英語。
改良とか刷新などを意味するようにつくられました。
たとえば、古くなった壁紙を貼り替える、あるいは水回り設備を一新するなど、新築に近い状態まで戻す工事が、リフォームです。
ちなみに、英語で住宅をリフォームすることを意味する単語としては、[remodel]や[update]、[renovate]などが挙げられます。
一方、リノベーション[renovation]はもともと英単語としても存在し、革新や修復などを意味します。
たとえば、壁を取り除くなどして間取りを変えたり、建物全体の雰囲気を和風に、あるいは洋風に造り変えるなど、より自由度の高い住宅改修工事のことを指します。
つまり、古くなった建物に大規模な工事を行って新たな機能や付加価値を加え、住宅としての性能や価値を向上させることを目的とするのがリノベーションなのです。
なお、国土交通省では、「リフォーム」は新築時の状態に近づくように復元すること、「リノベーション」を新築時の状態とは違う次元に改修すること、と定義しています。
2.工期の違い
リフォームとリノベーション。
工期、つまり工事期間が短くて済むのは、リフォームのほうです。
リフォーム工事の例として、壁紙を変えたり、畳を入れ替えたり、トイレやキッチンを新しい設備にしたりなどが挙げられます。
これらの工期は、数日から長くても数週間くらいでしょう。
一方、リノベーションでは、間取りを変えるために壁を取り壊す、水道管や排水管などの変更をするなどの大掛かりな工事が挙げられます。
規模が大きな工事になるため、工期はその分長くなります。
そのため、工事期間中の仮住まいを用意し、引っ越す必要があることも多く、工期は数か月から1年くらいかかるとイメージするとよいでしょう。
3.費用の違い
ご紹介してきたとおり、住宅に対してより規模が大きい工事をするほうをリノベーション、ちょっとした補修を改修をリフォームと言います。
つまり、リノベーションのほうが、費用はより高額になる傾向があると言えるでしょう。
そのため、リノベーションではローンを組まれる方も多いです。
しかし、リノベーションでは一般的な住宅ローンは使えないので、金利が高めなリフォームローンを利用することになります。
ただ、例えば中古の物件を購入するときにリノベーション費用を合算し、低金利の住宅ローンを利用する、ということは可能です。
この場合は、中古物件の販売とリノベーションをワンストップで提供しているような業者に相談するのがおすすめです。
一方、リノベーションほどの費用にはならないと言える、リフォーム。
とはいえ、リフォームでもリノベーションするくらいの金額になるケースもあります。
たとえば、浴室やキッチンをリフォームするケース。
最新式で最上級のグレードの設備を導入しようとすると、予想以上に高額になってしまうこともあるのです。
おすすめは、リフォーム業者に見積もりを取る際に、設備のグレードごとに複数作成してもらうことです。
リフォームに使える予算と相談しながら、希望の設備を決めるとよいでしょう。
4. リフォーム、リノベーションの相場
では、リフォームやリノベーションの相場はどのくらいなのでしょうか。
まずリフォームの場合。
施工範囲や設備、そして資材によって金額が変わってきます。
たとえば、洗面台のみ、壁紙の貼り替えのみ、キッチンのみのリフォームのケースでは、30万円程度で可能な工事もあります。
(洗面台のみなら10~15万円、壁紙の張り替え一部屋なら10万円以下 キッチンのみの交換であれば50万円からです。)
一方のリノベーション。
こちらも、工事の規模や導入する設備のグレードによって金額が異なりますが、500万~1200万円くらいが相場といってよいでしょう。
おすすめは、まずは予算を決め、その範囲内でどのくらいのリフォーム、あるいはリノベーションが可能か、業者に相談してみましょう。
業者は予算に合わせ、様々なパターンで見積もりを作成してくれますので、ご家族で相談しながら最適なプランを選択するとよいでしょう。
まとめ
リフォームとリノベーションの違いですが、リフォームは、壁紙の交換や設備の入れ替えなど、短期間で完了する小規模な改修工事をさし、リノベーションは、間取りや内装を大規模に変更するなど、大掛かりな工事をすることをさします。
いずれにしても、まずは予算を立てて業者に相談し、最適なプランを提案してもらうとよいでしょう。