<建築確認申請とは?>

請負契約が終わりましたら、こういう建物を建てますという申請の建築確認申請というものを提出します。おおまかな内容は施主は誰で施行業者(工事業者)は誰で建物の構造や大きさ間取り、敷地のうちどの部分に建築するか等が記載されています。鉄骨造や3階建以上の木造の場合などは構造計算書も添付されます。
建築確認申請は役所か民間の検査機関に提出します。大体10日から2週間位で返事がきます。その後に建築していきます。逆にその申請が通らないと建築を開始できません。
大抵の場合、この建築確認申請は必要ですが地域により申請が不要の地域があります。
申請が通りますと確認済証というものが返ってきます。また申請書の副本として手元に残るものもあります。
手元に戻ってくるものはどういった建物であるという詳細が記されていますので生活する上で当面必要ではありませんが、将来売却する時などは必要な時もありますので大切に保管しておきましょう。

<作成される図面>

建物を建築するに当り作成される図面は、打ち合わせ段階でよくみる各階層を上から見た図面の建物の平面図や建物の外観を東西南北から見たものを書いた立面図がよく見かけますがそれ以外にも以下のような図面があります。

○短形図
   建物の断面図の事で建物を縦に切った図面
○基礎伏図
   基礎やアンカーボルト、換気孔等の位置がわかる図面
○床伏図
   土台や根太などの1階の床組みの図面
○小屋伏図
   母屋や垂木、棟木などの屋根がのる小屋の骨組みの図面
○軸組図
   柱、梁、筋交いなどの位置とサイズの図面
○展開図
   室内側の壁面を図示したもので窓やドアの位置がわかる図面
○仕上表
   内外装材を一覧表にしたもの

などがあります。以上の他にもいろんな図面が作成される場合がありますが、省略される時もあります。

<近所にあいさつ>

大体の着工する日が決まりましたら近所にあいさつに行きましょう。建築業者が同行してくれる場合が多いです。建築業者のみが挨拶に行く時もありますが、近隣の方に顔見せができますので、できる限り同行するようにしましょう。挨拶に回る箇所ですが、隣接地はもちろんのこと、工事車両が頻繁に通る住宅にも声を掛けておきましょう。できれば先に自治会長の所へ行くと、色々教えてくれるのでためになります。稀に極端な工事時間の指定や無理難題を指示されるケースもありますが、普通に考えて無理なところは申し出ましょう。

<地盤調査は必要です>

最近はほぼ100%に近い位に建物の着工前に地盤調査を行います。10年保証等をする時に指導がありますし、軟弱地盤だと将来建物に影響を与えますので地盤調査を行い、土地の硬さに必要な基礎工事を行います。
数値がクリアする程の硬い地盤だとベタ基礎のみでする時もありますし、多少の軟弱地盤だと表層改良工事のみで済ます時もあります。あまりに軟弱だと杭を地中の支持層まで到達させて基礎工事を行います。
この調査を怠ると将来建物がどちらか一方に沈下して傾くことも考えられますので、必ず行うようにしましょう。
調査はいたって簡単です。土地の建築する予定の部分数箇所に数センチの穴をあけて検査するのが一番多く使われる方法です。

<地鎮祭はどうするの?>

地鎮祭は棟上と同じくする方とされない方がおられます。どちらかを行いどちらかをしない方もおられます。どちらかを行う方で地鎮祭を行って棟上は簡単に済ますという形式が多いように思います。
工事を着工する前の良い日の朝に行うのが普通で、敷地に竹を4本立てて荒縄で繋ぎます。
砂山も用意します。竹や縄や砂山は施行業者が用意してくれますし、雨が降ると大変なのでテントやパイプイス、地面がぬかるんでる時もありますのでシートなども用意してくれるでしょう。以上の準備が整いましたら後は足りないのは祭壇とお供えものですが、それは神主さんが用意してくれます。
基本的に地鎮祭はどちらの神社でも扱っていますので近くの神社に電話をして依頼します。
施主が直接依頼する場合が多いですが、施行業者に依頼すれば手配してくれます。料金はお供えものも全て込みで大体4万円~5万円位です。地鎮祭が終わりましたら供え物をそのまま頂くことができます。
地鎮祭の内容は宗派によって異なりますが、時間にして20分~30分程度になります。最後には鎮め物として建築する家の下に埋める小さな箱を頂きますのでそれを施行業者に渡しておきましょう。以前に中身を見た事がありますが人型の紙などが入っていました。
出席者は施行業者や施主、入居予定の家族や親御さんです。せっかくなのでできるだけ出席するようにして今後の工事の安全をお祈りしましょう。

<工期はどれくらい?>

ご年配の方はびっくりされますが、最近の工期はズバリ3ヶ月程度です。もう少し早い時もあります。天気によって左右されるのは昔と同じですが、簡単に言いますと最近はボードを張っていく乾式工法なので、昔の土壁のように何度も塗り直して乾くのを待つのと違い、乾かす時間が短縮されるので早いのです。また左官工事も速乾性のものを使用しますのであっと言う間に出来上がります。プレハブ工法などは工場である程度作られたものを現場にもってきて組み立てるだけというものもあり、極端に言えばこの前何もなかったのにもうできてる!なんてこともあります。

<上棟です>

上棟、棟上ともいいます。天井となる部分の一番上の木材を棟といいそれが据えられた時に棟が上がる。上棟となります。棟上はおめでたい事なので大安の日に行い、建築業者が用意した御幣を天井裏になる部分に上げて、大工さんや施行業者に祝儀やお弁当などを振る舞います。
昔は前日までにあらかた工事をしておき、当日の午前中に仕上げの棟上をして、そういった上棟式というものを執り行い、昼ごはん時にもてなしをしましたが、最近は工期が短く、朝からかかれば夕方には棟が上がりますのでその後、つまり夕時に振舞うケースが多いです。
あくまで施主に施行業者や大工さんが労をねぎらってもらいますので、業者によっては施主が言い出さない限りは何も言わない場合もあります。上棟をする場合には施主の方から前もって当日現場にいる人数を確認するようにしましょう。
また、お弁当を渡したり、飲み物だけを渡したり、持って帰ってもらうお酒を用意したり、祝儀を用意したりとさまざまですが、別段特別これをしないといけないというのはないと思います。
祝儀も昔は必要でしたが最近では当日助っ人でしかこない人やクレーンの人もその日しかいないので前もってそういうのはなしでと断られるケースや用意しても受け取らないケースが増えています。
しかしどうしても渡したい場合は棟梁に2万円あとは1万円位でいいのではないでしょうか。

<グラスウールって?>

グラスウールとはよく使われる断熱材の事です。
ガラス繊維の中に空気を封じこめるので、繊維間の空気が断熱効果をうみます。厚みがあるほど断熱効果は上がりますが、壁に隙間なく施行しないと効果が減りますし、施行時に雨に濡れたりしてペシャンコになると効果は期待できません。外壁に面する部分に施行するので1階と2階の間には入ってなかったりします。断熱材はグラスウールの他にも種類があります。余談ですが施行する時あんまり素手でさわっているとかゆくなるそうです。

<色々な工事>

住宅一軒建築するにも実に沢山の人が加わります。設計士、大工、クロス屋さん、左官屋さん等いろいろな人が集まってみんなで家を仕上げていきます。ですので一言で住宅建築工事と言っても内訳は色々な工事の集合体です。例えば、

□仮設工事
  仮設の足場組みの工事や保安設備や養生等の工事

□木工事
  材木を使う工事で下地工事や造作工事など

□設備工事
  電気配線や給排水工事など

□建具工事
  サッシ工事や屋内の木製建具工事など

□左官工事
  タイル張り工事、モルタル塗工事など

□内装工事
  壁装工事や床仕上げ工事、カーペット工事など

□ウインド・トリートメント工事
  カーテンやブラインド施行工事など

などです。他にも沢山の工事がありますし、地域や職人よって違う言い方をしている方もおられます。

<住宅建築に使う木材>

住宅建築に利用される木材はだいたい決まっています。
木材は松などの落葉しない針葉樹材と落葉する広葉樹材がありますが、針葉樹はスギやヒノキのように木肌がきれいなので化粧材や住宅建築の柱などの構造材に利用されますが、広葉樹は木肌が粗く硬いので造作材や家具材として使われさらに塗装される場合が多いです。
ちなみに国産材で住宅建築に利用される針葉樹材はスギとヒノキでスギの特徴は木理通直で肌目が粗く、ヒノキの特徴は芳香があります。また国産材で造作や建具に利用される広葉樹材はキリ、ケヤキ、タモ、カバ、シナノキがあります。
外国産材では針葉樹の米松が、広葉樹ではマホガニー、チーク、コクタン、カリン、レッドラワン、ウォールナット、ローズウッドがあります。

<コンクリートに鉄筋を入れる理由>

建物を建築する際、最近はベタ基礎と言われる基礎が多いです。昔のように束石を使い建物を点で支えるのではなく一面に敷いたコンクリートの面で建物を支えます。この時にコンクリートの中に鉄筋を入れるのですがこれは何故でしょう。
そもそもコンクリートとはセメントに水や砂などの細骨材と砂利、砕石等の粗骨材を混ぜたもので混ぜる水とセメントの量の比で強度にばらつきがでます。(ちなみにセメントに水と砂を練り混ぜて砂利などの粗骨材の入れないものをモルタルと呼びます)
できあがったコンクリートはアルカリ性で性質上圧縮する力には強いですが引張耐力には弱いのでこの引っ張る力に耐えるために鉄筋を入れます。コンクリートと鉄筋を一体化する事で座屈を防ぎ耐火、防錆によくなるという訳です。