マンションを売却する場合の金額の出し方やポイントをまとめてみました。
<よく使われる金額を出す方法>
中古マンションを売却する時に査定を業者に依頼した場合、金額を求める方法はいろいろあります。その方法によっては導き出される金額がいろいろ変わる場合もあります。しかし大抵業者が使う金額を出す方法は近隣の類似物件(同棟内の物件)の成約事例を基に査定物件の金額を求める方法を使っています。同じマンション内にてこの金額で売却されているから査定物件と比較して売却された物件より良いか悪いかにより求めます。
直近の相場で求めるこの方法は公的機関が発表している基準値地価や地価公示よりも新鮮な価格である場合が多く、また大まかに決められた金額ではなく詳細な価格を導き出すことができます。
しかし、直近の査定物件近辺に成約物件がない場合があります。そういった場合は現在売却に出されている同じ棟内の物件を比較するか、それでもない場合は近隣の築年数や広さ、駅からの距離が似たようなマンションと比較するか、または収益率をみて価格を導き出す方法もあります。
<改装で金額が変わる>
売却金額を求める時に成約物件が同じ棟内でしかも直近であった場合は、まずその物件と比較して高い階層か低い階層かを見ます。
分譲当時を思い出して見て下さい。新築分譲時には基本的に上下の部屋は同じ間取りになります。また上の階層になるほど金額が上がっていったと思います。これは上層階の方が眺望がありマンションとしての特典が得られるからだと思います。
上層階の方が分譲当時高い金額だという事は同じく中古マンション市場にもいえる事になります。つまり同棟内、同面積、同間取りの場合は下の階より上の階の方が金額が高くなります。もっとも部屋のきれいきたないや改装時期にも影響しますがまったく他条件が同じ場合には(あまり考えられませんが)上層階が高額になります。
<バルコニーの向き>
バルコニーの方向で金額が左右される時もあります。よくマンションで南向きや東向きなどを言う場合は玄関の方向ではなくバルコニーの方向を指します。
土地や戸建てと同じく東南の角部屋が最も日当たりがよく一番好まれます。最近のマンションはわざと角部屋を多く取れるような建て方をし、各部屋の日当たりの差別化をなくしているものも多いです。こちらもバルコニーの方向だけが違う全く同条件の成約事例がある場合は、日当たりのよい方が高い評価になるケースが多いです。
<改装>
改装も重要です。もし改装をしている場合はいつ頃にどういった改装をしたかを詳細に示す事で購入者は買った後に改装する必要があるのかないのかを判断します。
当然全く改装をする必要のない場合は他物件と比較しても早く売れる可能性が高いです。リフォームの費用は割りと分かりにくいものなので改装する必要がある物件は躊躇する場合もあります。
改装が必要な物件の場合で空家の時は稀に売主の方で改装をした後で売却する時もあります。こうする事で購入者は自分でリフォームの費用を計上する必要がなくなりますし内覧した時に印象が違いますので買いやすくなるようです。
<大規模修繕の予定>
マンションの場合は修繕積立金を積み立てています。ご存知の通り共用部分の修繕や補修はこの修繕積立金で賄われます。小さな修繕は随時行われている事かと思いますが、大規模の修繕計画は管理組合にて計画がたてられます。おおよそ築10年程度でまず外壁の補修や塗り替え、屋上の防水やエレベーターの修繕等が行われています。
別段修繕を行う事自体は売買に影響がありませんが、重要なのはその修繕にともない費用が発生するかどうかです。大規模修繕が予定されていてその修繕費が今までの積立金で足りない時は各区分所有者に持分割合に応じた追加の費用負担が出ます。
その計画がある場合には売買する時に購入者に説明をしないといけません。もし費用が発生する場合は購入者は購入後いきなり別途費用負担がある事になるので知らないとトラブルになってしまします。
売却する物件に費用負担が数十万円にものぼる場合には売買金額に影響する時もあります
<組合や自治会の役回り>
マンションの場合は管理組合の役回りと自治会の役回りの2つがたいてい多いです。ご存知とは思いますがマンションにより階層単位で毎年1部屋づつづれて回り、賃貸や空家は飛ばされるのが普通かと思います。ほとんど強制の所が多く仕事があるとか高齢だとかは理由にならない場合が多いです。
購入される方が役を気にされる場合があります。購入後すぐに回ってくる場合は早めに伝えておきましょう。どうにかできる時は飛ばしてもらえるように売主の側からも確認しておくとよいでしょう。
<売主の契約不適合責任>
査定の段階やまた購入者が現れた時でも売却に関し不利になると思われる事を話さない方がおられます。売却する場合には業者が出来る限り詳細にその物件について調査します。
ただ、その調査にも限界があり売主側で伝えてもらわないとわからないものもあります。マンションの場合の瑕疵は共用部分である事が多く売主はその責任を免れます。例えば以前に水漏れや雨漏りがあった場合は配管は共用部分なので管理組合が修繕したと思います。物件の購入者が購入後同じような症状が出たとしても管理組合が修繕するでしょう。しかし以前にそういった症状があった場合はできるだけ詳細な状況を業者や買主に報告するようにしましよう。当然不利になる事は話したくないでしょう。しかし購入者は売却物件の紹介を受け、高額にも拘わらず多くの方が数日で購入の決断をされます。当然数回しか物件を見にいけず、まして居住中の場合にはそれほど隅々まで見れません。
物件を契約する大抵の場合は、売主が知っていて故意に買主に告げなかった事実や売主が知らなかった重要な事でも、引渡し後一定の期間内は売主が責任を負わないといけない条文をもりこみます。どんな事でも業者や買主に伝えるようにしましょう。
<空家の場合は早めに売却を>
売却する物件が不要になりましたら空家にして売却する場合が多いです。空家にすると購入者は物件の隅々まで確認できますし、売主がいない場合が多いので気にすることなく確認できます。どれほど綺麗にしていた物件でも空家になれば汚れている箇所等があるものです。
しかし空家にした場合は利用していた時よりも建物の老朽化が進みます。生活や利用していれば人の出入りもあり温度や湿度も適度に保たれますが空家の状況だと乾燥したり逆に湿気が多くなったりして建物内部のクロスなどに影響をうけます。
ですので空家にして売却金額に建物の評価がある場合にはできるだけ早く売却できるように心がけましょう。
<付帯設備>
付帯設備とは売却する時においていく物で不動産の所有権と一緒に買主に渡されるものです。ゴミなどは当然引渡しまでに売主側で処理しないといけませんが、まだ利用できる物は契約の時に付帯設備として表に書き込み買主に確認してもらいます。
付帯設備表に書いた付帯物については物件を引き渡す時にその状態で引き渡さないといけません。書いてあるのに撤去したり、書いてないのに置いていったりしてはいけない事になっています。
たいてい対象となるのは住宅であれば照明器具やエアコン等です。
売主はおいていく物については責任を持つ必要はありません。性能を保証するものではなくあくまで付帯物としておいていくものなので購入者が購入後すぐに故障したからといって売主にクレームを言うものでもないので安心して下さい。しかしもともと故障しているにも拘わらずその事を買主に言わず置いていった場合はトラブルになりますので現在わかる範囲内で買主に伝えておきましょう。「エアコンはクーラーは動くが暖房は使っていないので壊れているかも」とか「倉庫は使えますがレールが故障しています」といったようにです。
<間取りも大事>
建物の間取りも大切です。以前は家族構成が3人~4人が主流になっていますので広いLDKを持った4LDKが好まれましたが最近は家族数の少ない世帯が増えつつありますので2LDKや3LDKの需要もあります。一昔前はリビングとダイニングキッチンを分けた3DKや4DKのタイプが多かったです。