物件を購入するのにはローンを使わず現金にてと考えている方のワンポイントを書いてみました。
<諸費用について>
ローンを利用する場合には銀行関係の諸費用が必要ですが、現金にて購入される場合には必要ありません。下に必要な費用項目を挙げておきました。
○契約印紙代
印紙税という税金です。郵便局などで購入し金額の記載のある契約書に貼り付けます。記載金額により上下しますが契約金額が5000万円以下の場合には15000円ぐらいです(本当は20000円ですが現在は減税になっています)
○仲介手数料
仲介業者に支払う手数料です。売買価格×3%+6万円に消費税を乗じた金額になります
○登記費用
登記費用はその大部分は登録免許税という税金です。税額に司法書士の手数料を加えた額を「登記費用」と呼んでいます。税額はその物件の固定資産税評価額(役所の固定資産税課でわかるものでその額に一定の数値を乗じて固定資産税を出している)に一定の税率を掛けたものなので一概にいくらとはいえません。司法書士の手数料は約10万円前後になります。
○固定資産税等精算金
固定資産税は毎年1月1日現在の所有者に対して4月~5月頃に納付書が送られてきます物件の引渡し日(所有権移転日)が決まるとその年の固定資産税及び都市計画税を365日で割り4月1日を起算日として引渡し日の前日までを売主が、引渡し日から次の3月31日までを買主がそれぞれ負担し引き渡し日に清算します。
○管理費等清算金
固定資産税と同じく管理費や修繕積立金も引渡し日が確定しますと日割り計算します。毎月の支払いなので1月の日割りをします。マンションにより来月分を今月に払う場合と今月分を今月に払う場合があります。水道料金も管理費に加えて支払うマンションもあります。
○消費税
新築の場合ならば業者が所有しているので必要になるのは当然ですが、まれに中古住宅でも業者が所有している事があります。そういった場合にはその物件価格のうち建物対価についてのみ消費税が課税されます。最近は税込み表示なので物件価格に入っている場合が多いです。
ほとんどの売主は個人所有なので消費税は非課税です。
以上が現金にて購入する場合の一般的な諸費用です。不動産が世界に一つしかないようにそれぞれの契約も千差万別です。上記以外にも費用が発生する場合もありますのでその都度確認しましょう。
<税金が高くなるの?>
という質問を以前購入頂きましたお客様から聞かれた事があります。
ローンを使わないで現金にて不動産を購入した場合は税金自身が高くなるのか?という質問でした。そういった事はありません。しかしながらローンを利用すると住宅取得促進税制(ローン控除)と言われる控除がある場合があります。年末の借り入れ残高の数%を所得税から差し引くというものです。
もし仮に現金でも購入できるが住宅ローン控除を受けたいのでローンを借りる場合はその控除額と金利ではどちらが得か?という計算をしないといけません。もっともこの税制は時限立法で優遇幅が拡大されているだけなので数年たてばもう廃止になっているかもしれませんしその時にまたローンが優遇される税制があるかも知れません。
どちらにしてもローンを使う場合と現金にて購入する場合では安くはなっても高くはならず通常の水準で控除がないというだけです。
<名義に注意>
よく親が資金を出し将来の相続の事も考えて子供名義にしたいと言われる方がいます。
住宅ローンを使う場合なら当然ローンを組む人の名義にしないといけませんが、現金の場合は誰の名義にしてもかまいません。しかし税金の関係があります。
通常は資金の出した方の名義にしないと贈与という事になるので注意が必要です。ただ、親が子供に不動産を買う場合は非課税になる方法もありますので適合するか調査してみましょう。